現役販売員の鶴田です。
スーツのサイズ選びには数値的な目安があるんです。
なんとなく選んでいたサイズ選びに、明確でわかりやすい目安を見つけることが出来ます。
サイズで迷う方、必見の内容です。
目次
ジャケットのサイズの肝は、胸回り
既製品のスーツは、基本的に「胸寸式(きょうすんしき)」という方法で、サイズ設計されています。
スーツの採寸方法には大別して短寸式と胸寸式の二つがある。前者はイギリスや日本にポピュラーなもので、ありとあらゆる箇所を採寸して型紙をつくる。一方の胸寸式は胸回りをベースとした計算式があって自動的にその他数値が割り出される寸法だ。
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つまり、胸のサイズさえ合わせておけば、カラダの他の部分の勝手にある程度サイズがあってくれるのが、「胸寸式」の特徴。だから、胸回りのサイズを合わすのが、既製品では、一番大切になってくるわけ。
で、胸のユトリの目安は、「握りこぶしが入るくらい」とか「手のひら一枚くらいが入るくらい」。なんて言われますが...。
「握りこぶしと、手のひらって、結構大きさが違うんですけど...、どっちがあってるの?」
「ジャケットのどの辺に、ゆとりがあればいいの?」
こんな風に思う人も多いはず。
こんな疑問にお答えしながら、ジャケットの胸回りの測り方を解説していきますね。
ジャケットの胸ポケットの、延長線上のユトリを測るのが正解
ジャケットの胸のユトリは
- Vゾーンの合わせ部分を、前に”軽く”引っ張る
- 引っ張った状態で、Vゾーン~胸までのユトリを測る ※メジャーで測るのは大変なので、自分の指の長さを測っておいて、指でメジャー代わりに計測するのがカンタン
のが正解です。
で、一口にVゾーンといっても、2つボタンや3つボタンなど、Vゾーン位置は様々。Vゾーンの位置が違えば、同じサイズのスーツでも、計測結果が変わってしまます。

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「握りこぶしが入るくらい」とか「手のひら一枚が入るくらい」という目安が生まれたのは、スーツのジャケットが3つボタン主流だった時代。なので、2つボタンのスーツでも、3つボタンの位置にVゾーンを作ってあげると、胸のユトリを正しく測れます。
3つボタンのVゾーンは、胸ポケットの延長線上にあります。
2つボタンのスーツでも、「胸ポケットの延長線上の生地を合わせて、Vゾーンを作ってから」ゆとりを測ると、胸回りのユトリを正しく測れます。
胸のユトリは3センチ~9センチ
ジャケットの胸回りに、必要なユトリは「手に平1枚分」なのか「握りこぶし一個分」なのか?
実は、両方とも正解。
サイズがあっている...と一口に言っても、それは
- タイトフィット
- レギュラーフィット
- ルーズフィット
の3つに分かれます。
手のひらの厚さは、約3センチ。握りこぶしの大きさは、個人差がありますが、約9センチ。
タイト目のサイズ感が好きなら、胸のユトリは「手のひら一枚くらいの3センチ」でベストですね。
「握りこぶしが入るか入らないか、くらいの6センチ」のユトリがあれば、キツからず、ユルからずのフィット感になります。
どんなにユッタリ目が好きでも、「握りこぶしが入るくらいの9センチ」までにとどめておけば、ユッタリ目でも野暮ったくなりません。
肩幅は肩パッドを1センチくらい摘まめるのが目安
サイズは「幅」と「丈」に分かれます。
胸幅と肩幅が、カラダに合っていれば、ジャケットの「幅」はカンペキです。
肩パッドの入っているジャケットの場合、「肩パッドの下を指の腹で押してみる」ことで、肩幅があっているか確認することが出来ます。
どちらのチェックの仕方でも、0.5~1センチのユトリがあれば、問題ありません。
1センチは、だいたい指1本の太さと一緒。肩パッドの下を指の腹で押してみて、指半分~一本分の埋まれば、オッケーですね。
肩パッドのないジャケットの場合は、背中のシワが目安
上に書いた方法は、あくまで肩パッドのある場合。
肩パッドのないジャケットには、背中のシワで確認しましょう。
「ツキ皺」という横方向のシワが襟の下に出る場合は、肩幅がキツイ目安。

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逆に、わきの下に「たすき皺」というハの字型のシワが出る場合は、肩幅が大きすぎる場合ですね。

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既製品の場合、このシワを完全に消すことは難しいですが...。「いつものサイズ」に加え、その前後のサイズも試着して、背中を確認してみるのがおすすめです。
袖丈は、親指の先~袖先まで8センチから12センチ
サイズの「幅」と比べて、「丈」は体型に合わせて修理がしやすい部分。こだわって体型に合わせてみましょう。
袖丈の場合、
- 手を自然におろす
- 親指の先から、袖の先までを測る
のが、正しい採寸方法。
親指の先~袖先まで、8センチから12センチあれば、袖丈は腕の長さにあっています。
シャツをジャケットの袖先から、のぞかせたい場合は、シャツの袖丈にもよりますが、10から12センチあると良いですね。
ユニクロなど、店員さんが採寸してくれない場合は、
- 手を自然とおろす
- 手のひらを地面と水平に、外側に曲げる
この方法で簡易チェックすることが出来ます。
この時に、手の甲に軽くジャケットの袖先が触れていれば、オッケーです。
着丈は、「(身長×0.86)÷2」がクラシック
ジャケットの着丈は、「総丈÷2」がクラシックとされます。
総丈とは、靴を脱いだ状態で、ジャケットの上衿の付け根~地面までの距離のこと。

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で、この総丈、店員さんに測ってもらわなくても、数式である程度、見当が付けられます。その数式が「身長×0.86」。これと、総丈が、ほぼほぼイコールです。
これを覚えておけば、オンラインストアでも、どのサイズの着丈が自分に合っているか、調べる目安になります。
総丈の半分=ジャケットの着丈が、クラシックなバランス。
とはいえ、これはあくまで「丈」単体の話。
サイズは「幅」と「丈」に分かれ、この「丈」と「幅」のバランスが取れて、初めてキレイなシルエットが出ます。
「総丈÷2」の着丈は、少しゆったり目なルーズ~レギュラーフィットと相性がいいですね。
ルーズフィットの場合、着丈を短くすると、正方形のようななってしまっている横幅が強調されるシルエットになってスタイルダウンしてしまいます。長めの着丈で、長方形のようなシルエットにすると縦にすっきり見えます。
タイトフィットのスーツは、「(身長×0.86)÷2」マイナス5~7センチがバランスが良い
タイトフィットのスーツは、あまり着丈が長いとヒョロヒョロと頼りないシルエットになってしまいます。
「(身長×0.86)÷2」から5~7センチほど、着丈を短くして、シルエットを正方形に近づけると安定感のあるシルエットになります。
となれば、パンツ丈も当然短めな似合うわけでね。パンツの正しい長さはスラックスの正しいサイズの選び方。サイズは「幅」と「丈」に分けると選びやすいで解説しています。
レギュラーフィットのスーツは、「(身長×0.86)÷2」マイナス3~5センチが好バランス
レギュラーフィットのスーツの場合、理屈的にはタイトフィットとルーズフィットの中間ですね。
着丈が長すぎると、ヒョロっと見えてしまう。逆に短すぎると横幅が強調されてしまう。
なので、「(身長×0.86)÷2」マイナス3~5センチ程度、短くした着丈が好バランスなのです。
ちなみに、長い間、スーツのオシャレなサイズ感は、「タイトフィット」でしたが、今は、徐々に「レギュラーフィット」が主流になってきています。細身はダサい?オシャレなスーツのサイズ感が変わってきましたよ。で解説していますので、読んでみてください。
今回はここまで。最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
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