オーダースーツ万能論に待った。オーダーのデメリットを解説

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • LINEで送る

現役販売員の鶴田です。

ニュースサイトを見ているとちょいちょい見かけるオーダースーツの広告。いわゆる広告記事ってやつです。

 

市場でもオーダースーツを強化しているブランドやショップも数知れず。私の勤務するブランドもパターンオーダーにここ数年注力しています。雑誌を見ても「今はオーダーがオシャレ」と言わんばかりにオーダースーツ賛歌の記事をよく見かけます。

 

全ての物事においてメリットとデメリットは表裏一体。オーダースーツのメリットばかり持ち上げられて、デメリットが明示されていないのが今のファッション業界。今回はオーダースーツのデメリットを解説します。

オーダースーツは万能ではない

ここでいうオーダーとは、決められた形(型紙)をベースに寸法に修正を加えていくパターンオーダー。型紙から何まで一から作るフルオーダーを指します。

 

オーダーでよくあるレビューが「体型にピッタリ」、「裏地やボタンを自由に選んで自分だけの一着が作れた」といったモノ。

 

でもちょっと待って。体型にピッタリ=好印象(オシャレ、素敵、仕事が出来そう)になるのでしょうか?

 

パターンオーダーはベースとなる型紙(シルエット)というものがあります。ここに部分的な寸法の修正を加えて着る人にフィットするように作るのです。

 

型紙っていうのは「このシルエットならこのバランスが一番かっこいい」とデザイナーが考えて作ったもの。いわば完成形、それは既製品もパターンオーダーも一緒。そこに修理や修正を加えるということは完成されたシルエットを崩すという事。なるべく完成型のシルエットを崩さないほうがオシャレに見えるのです。

 

もちろんシルエットを崩すことが絶対悪という事ではありません。シルエットを崩す代わりに、「着る人の体型に合う」というメリットがあります。

 

問題はシルエットを崩す行為と着る人の体型に合わせる...というメリットとデメリットのバランスをうまくとれる販売員がどれほどいるかという事

 

例えば英国調の胸を立体的に作り、ウェストをぎゅっと絞ったシルエットがあるとしましょう。

 

コレでパターンオーダーを作るとき、お客様が「ジャケットのおなか周りだけキツイ」と言われたらどうしますか?販売員の方は考えてみてください。

 

 

どうしますか?たいていの人はジャケットのおなか周りだけ大きくする補正を入れようとしたのではないでしょうか?

 

でも僕だったら1サイズ大きいサイズモデルに変更して肩幅を小さくする補正入れます。緩く感じるようだったら、少しだけウエストを絞る補正を入れます。なぜならベースモデルが英国調だから。

 

どういうことかというと...。英国調のシルエットはウエストの絞りを強くすることで胸の厚みを強調し、「マッチョな男性像」を表現するために生まれたもの。ウエストの絞りを緩くしてしまっては胸の厚みは強調されず「マッチョな男性像」を表現できないのです。

 

パターンオーダーには、このようなお客様の要望に応えつつベースとなるシルエットを活かす技術が必要。単純にパターンオーダーだからオシャレとか体型にピッタリだからオシャレに見えるという事ではありません。

 

体型にピッタリに作れば、おなかポッコリの人にはおなかだけ大きいスーツ。華奢な人には華奢なスーツが出来るだけ。サイズはピッタリだけどオシャレではありませんよね。

 

フルオーダーも一緒。フルオーダーでも体型にピッタリ作ることに比重を置くケースが多い。その仕上がりは前述のとおり。フルオーダーだからというだけではオシャレは保証されません。

 

着る人の体型に合わせつつ、その人の体型の欠点は補い、長所が活きる形を作る。それで初めてフルオーダーで作った価値が出るというもの。

 

既製品もしかり。既製品はデザイナーが「このバランスがオシャレ」と考えた完成形。完成形はは体型の短所を補い、体が綺麗に見えるように作られています。ただ体型に合って初めてそれが機能する。有名ブランドの既製品を着るだけではオシャレは保証されません

 

必要ならば完成形のバランスを崩しすぎない範囲で体型に合うように修理をすることで、本来の良さが出るのです。

 

自由に選ぶのは難しい

オーダーの楽しみの一つがボタンや裏地を選んで自分好みにスーツをカスタマイズ出来る事。

 

自分で選ぶということは、そのスーツはデザイナーの手から離れた...という事。既製品はスーツ生地からシルエット、付属品である裏地やボタン。すべての構成要素を調和するようにデザイナーが1着のスーツにまとめ上げてくれています。

 

素人がただ単に好きなスーツ生地に好きなボタン、好きな裏地を組み合わせてしまえばでたらめな組み合わせになる可能性だってあります。

 

「オレのスーツなんだからオレの好きにさせてくれよ」

 

もちろん、スーツを個人の嗜好品とするのであれば、私の主張は的外れもいいとこ。ただ少しでも他者からの好印象を期待するのなら、耳を傾けていただきたい。

 

ボタンや裏地のでたらめな組み合わせのスーツは「すごいね...(そんなの着ちゃうんだ)」となりがち。デザイナーのごとく、一つ一つに意味のある組み合わせのスーツが他者から「素敵だね」の評価につながるのです。

 

と言っても専門家でも何でもない消費者が一人でそれをするのは至難の業。

 

どこで買う...ではなく「誰から買う」が重要

結局のところコレに尽きます。

 

既製品だってパターンオーダーだって、フルオーダーだろうが、高かろうが安かろうが関係ないんです。

 

あなたの事を理解してくれて、自社も他者の洋服の事もオシャレのロジックも知り尽くしている。そんな販売員に出会えれば、どこで買おうがオシャレになれるのです。

 

「わかるけど...そんな販売員に出会えるわけなんてないよ...」

 

確かに、洋服の真のプロフェッショナルというべき販売員は少ない。大して服の事が好きじゃなくてもアパレル店員になれるのが実情。そんな実情に危機感を持ち、確かな理論の元、オシャレを提案するべく立ち上げたのがSuitLaboだったりするのです。

 

それはさておき。人はオシャレな人が「何を着ているか?」に興味を持ちがち。インスタグラマーもブロガーもモデルも何処で買ってるかをアピールするのがほとんど。

 

身近にオシャレな人がいるのなら、「誰から買っているのか」を聞いて見てください参考にしているインスタグラマーなどにSNSで質問してみるのもいいでしょう

 

インスタグラマーもブロガーもモデルも最初からオシャレだったわけではありません。一人の販売員との出会いがきっかけだった...なんていうのも業界ではよくある話なのです。

 

オシャレになるためにはメディアで持て囃されている服を着ることではありません。あらゆる服のメリット、デメリットを知り尽くしあなたにピッタリの物を提案してくれる存在、そんな人と出会えることがオシャレになるきっかけだったりするのです。

 

もちろん、私もお手伝いいたします。無料メール相談をしていますので気軽に連絡ください。「何をどうすればいいのか、見当がつかん」なんていう方は普段のコーディネート画像を送っていただければ、アドバイスしますよ。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • LINEで送る

無料ファッション相談

無料ファッション相談ご希望の方は下部のボタンをクリック


無料ファッション相談はこちら

SNSでもご購読できます。