
現役販売員の鶴田です。
一口にスーツと言ってもそのシルエットは実に様々。ゆったりなもの、タイトなもの。着丈が長いもの、短いもの。
10年近く前ならいざ知らず、猫も杓子も「細く着ればオシャレ」なんていう時代は終わってしまいました。いわゆる「モテスリム」のスーツなんて来たところで本当にモテたためしなんてないでしょ?
細いスーツが似合う人もいれば、ゆったりしたスーツが似合う人もいる。着丈が長いスーツが似合う人もいれば、短いほうが似合う人もいる。
「オレはどんなシルエットが似合うんだ?」という疑問が吹き飛ぶのが今回の内容。スーツだけでなく、ジャケット選びにも応用できますのでスーツを普段着ない人も最後まで読み進めてみてください。驚くほどスタイルアップできる必見の記事です。
スーツは最高のスタイルアップ服
スーツ程男性をスタイルよく見せる服はありません。
「好きな男性の服装は?」なんて質問に多くの女性が「スーツ姿」なんて答えるのも、スーツのスタイルアップ効果のおかげ。
足に引っ掛かることなく地面にスッと落ちるパンツのシルエットは、センタープレスの効果と相まって足を長くまっすぐ見せてくれる。縦に長いジャケットの襟は身長を高く見せ、Vゾーンは胸板を厚く見せ男らしく見せてくれる。腰回りを覆うジャケットの着丈は、ジャケットと同じ生地のスラックスとの相乗効果で腰の位置を曖昧にしてくれる。
この「腰の位置を曖昧にしてくれる」というのがミソ。
一旦、腰の位置を曖昧にした後に高い位置でウエストを絞れば腰の位置を高く偽装し、足を長く見せる。逆にウエストの絞り位置を低くすれば、がっちりした上半身をすっきり見せてくれる。なかには絞りを入れないほうが返ってすっきり見える場合も。
絞りの位置が低いほうが似合うのか?高いほうが似合うのか?はたまた絞らないほうがイケてるのか?
それを個人個人の体型で違うもの。ここから先は骨格診断の知識を応用したもの。骨格診断とは人間の体型を3タイプに分け、各タイプの特性を踏まえ似合うアイテム・着こなしを導く理論。
骨格診断士で私の妻が運営するブログがあります。骨格3タイプの自己診断ができるコンテンツを用意しているのでまずは自己診断を。
ストレートタイプが似合うジャケットシルエット
人間の身体を構成するのは筋肉・脂肪・骨の3つ。ストレートタイプは筋肉の発達を強く感じる体型。筋肉が発達しているゆえに、厚い胸板を持つのが身体的特徴。
厚い胸板はジャケットのシルエットをコンパクトにすると、詰まって見え窮屈さを感じさせたりや太って見える。ジャケットの絞りの位置を低くして、縦に長さを作るとすっきり見えスタイルアップするのです。
「絞りの位置が低いとか高いとか素人じゃわかんないよ...」
ジャケットの絞りの位置と着丈には密接な関係性があります。着丈が長くなると絞りの位置が低くなり、短いと絞りの位置が高くなります。
つまりストレートタイプは着丈が標準~長めを選ぶことで、ウエストの絞り位置が低くなりスタイルアップするのです。
着丈の目安は人差し指の付け根の関節。ジャケットを着た状態で手を自然に下ろしてみてください。この時、ジャケットの着丈の裾が人差し指の付け根の位置と一緒、もしくは着丈のほうが1~2センチ上に来るくらいが目安。
ウェーブタイプに似合うジャケットシルエット
ウェーブタイプは筋肉のハリも骨のゴツゴツ感も感じないソフトな体型。
痩せればウエストラインは緩やかにくびれ、太ればおなかだけポッコリ。どちらにせよ緩やかな曲線を描くウエストラインを持つのが身体的特徴。
緩やかなウエストラインは直線的なウエストラインよりも長く見えてしまう。ソフトで優しい印象を持つ反面、胴長に見えやすいのがウェーブタイプの補うべきポイント。
ジャケットのウエストの絞り位置を人間は「腰の位置」と錯覚する。絞りの位置を高くすることで胴長をカバーしスタイルアップすることが出来るのです。
前述のとおり、ジャケットの着丈と絞り位置は連動するもの。着丈の短いジャケットを選ぶことで絞り位置が高いジャケットを手に入れることが出来ます。
着丈の目安は親指の付け根の関節。ジャケットを着たときに自然に手を下す。この時ジャケットの着丈の裾が親指の付け根の関節の位置と一緒、もしくは着丈のほうが1~2センチ下になるのが短い着丈の目安。
余りに短い着丈はカジュアル過ぎてビジネスシーンにはそぐわない...けれどカジュアル専用のジャケットなら着丈はもっと短くてもあり。袖丈と着丈が同じくらいの長さの物を選ぶのもいいでしょう。

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ナチュラルタイプに似合うジャケットシルエット
ナチュラルタイプは骨の印象を体の随所から感じるタイプ。それは長い手足だったり、顔の掘りの深さだったり、関節のゴツゴツ感だったり。
肩幅が広いことも多いのがナチュラルタイプ。広い肩幅は顔を小さく見せてくれる反面、肩幅の広さが威圧感を感じさせる。高身長の人だとフランケンシュタインみたいなでくの坊的な印象になることも。

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肩幅をさらに強調してしまうのが体にぴったりした服やウエストが絞られている服。絞られたウエストと肩幅のコントラストがより一層肩幅を強調してしまうのです。
ナチュラルタイプが似合うスーツ・ジャケットシルエットはウエストに絞りのないもの。
絞りのないジャケットの見分け方は簡単。ジャケットのウエスト付近にある「ダーツ」と呼ばれる切れ込み。

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ダーツはジャケットをウエストを絞るために入れるもの。ダーツを使わない「ノーダーツ」のスーツはウエストに絞りが入っておらず、ナチュラルタイプの広い肩幅を隠してくれるのです。

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ノーダーツのスーツは、スーツに「動きやすさ」を求めるアメリカの風土で生まれたディティール。アメリカのブランド、アメリカをルーツにするブランドで取り扱っていることが多い。老舗は「ブルックスブラザーズ」。

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通称、Ⅰ(いち)型と呼ばれるノーダーツのスーツはブルックスブラザーズのアイコン的スーツ。ケネディ大統領はじめセレブ御用達だったり、世界的な日本ブランド「コムデギャルソン」がⅠ型のブレザーをリメイクしたコレクションを発表したり、国内外で評価の高いブランド。
価格も10万前後の物が多いですが...。アウトレットやセールで狙うも良し、買うかどうかを別として本家本元の良品を試着して審美眼を養うも良し。
細身のブランドがいまいち似合うわない...ということも多いナチュラルタイプ。ノーダーツのスーツを試着だけでもしてみてください。ゆったり目のシルエットがここまで粋に良きこなせるとは...と自分でも驚くくらいの発見が出来るはず。
「骨格診断の自己診断ではいまいち自身がない」という方は私の妻が骨格診断に特化したブログを運営しています。こちらも合わせて参考にしてみてください。
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