現役販売員の鶴田です。
今回は来る冬に備えて「コートのトレンド特集」。スーツに合わせたドレススタイリングを中心にカジュアルシーンでの着回しまで解説していきます。
本来、ドレススタイリングのトレンドは「ピッティ」と呼ばれるイタリアで行われる大規模展示会を発信源として波及されます。

こういったピッティ界隈のトレンド解説は雑誌なりセレクトショップのバリヤーさんなりが、さんざんしてきているので、わざわざ私が解説するまでもないかな...と。
ちなみにピッティがドレスアイテムのトレンド発信源なら、パリコレはじめファッションコレクションで発信されるトレンドは基本的にカジュアル寄りのトレンド。

ただパリコレをはじめとしたファッションコレクションでもスーツをはじめとしたドレススタイルの提案は少なからずされているわけで。
どちらかというとパリコレはじめとした、いわゆる「モード界隈のトレンド」の方が私自身は好み。
それにユニクロのデザイナーズコラボなども、こちらの「モード界隈のデザイナー」が起用されています。つまりユニクロはじめGUなどは「モード界隈のトレンド」を軸に商品開発しているわけ。
モード初のトレンドを知っておいた方が自分の着こなしに落とし込みやすいのです。
今回は「モードのトレンド発信源」であるパリコレはじめとしたファッションコレクションからドレスコートスタイルおよびカジュアルシーンでの着崩し方のトレンドを分析・解説した珍しい切り口でのトレンド解説でございます。
ビジネススタイルではひざ下丈&ダークカラーorハイコントラスト
今回、ドレススタイルとしてのコートの着こなしルックが多く見られたのは「セリーヌ」。
ストリートスタイルをベースとしたビッグシルエットを始め、カジュアル寄りのトレンドが多かった近年。ジャケットよりもブルゾンが好まれたし、コートよりもダウンがトレンドの中心でした。

スーツの上に着る上着もダウン…なんて人も多いでしょう。ドレスシーン・カジュアルシーン問わずカジュアル傾向にあるのです。
ちなみに「ストリートスタイル」とは、ばっくり説明すると街でスケボーで戯れるやんちゃなお兄ちゃんたちのスタイルを起源とする着こなしの事ですね。
前回の記事でも触れましたが、流行は振り子のようなもの。片側に振り切れると、次第に真逆の物に魅力を感じてくるものです。
すでに振り切ってしまった感のある「ストリートスタイル」。真逆に位置するドレススタイルに魅力を感じてき始めているのが2019年秋冬。
それを象徴するかのように、「セリーヌ」は冬のドレススタイルの象徴であるコートルックが多用されているのです。
そんな文脈を踏まえると言えてくるのが、2019年秋冬のコートトレンド。
ドレススタイルのフォーマル感を象徴する「ダークカラー」「ロング丈」のコートが目立つっているのが分かるはず。
当ブログで何度も解説してきましたが、色は「暗ければ暗いほどフォーマル」「明るければ明るいほどカジュアル」な印象を与える特徴があります。
加えて、丈は長ければ長いほどフォーマル・短ければ短いほどカジュアルな印象を与える特徴がある。
即位の儀で昭恵夫人のファッションが叩かれてしまうのは、スカートの丈が「即位の儀」という最もフォーマルさを求められるTPOに対してスカート丈が短いから...ということからも「丈とフォーマル度」の関係性は理解できるはず。

ストリート=カジュアルファッションのトレンドの反動が、「暗い色」「長めの丈」「ドレスコート」という思いっ切りフォーマルに寄せたアイテムとして表れているわけです。

…なんですが、ビジネスシーンにおいて「暗い色」「長めの丈」のコートって普通っちゃ普通。
この辺がカジュアルを軸としたモードの世界とビジネスシーンのギャップですね。とはいえ、そこは世界最高峰のクリエイションの場であるふぁしょんコレクション。その辺のギャップもしっかり押さえています。
先ほどの画像を改めてみてみると...。

よ~く見てみると...。

そう!
ダブルになっているんですね。

ビジネスコートの大半はシングル。ダブルにすることで差別化を図ることが出来る。加えてダブルはシングルよりも重厚感を感じるデザイン。
重厚感が転じて、フォーマルな印象をシングルよりも強く打ち出すことが出来る。
昨今の「カジュアルライクに振り切ったトレンドの反動でドレスライクな印象に魅力を感じる」というトレンドの振り子運動にマッチした着こなしを楽しむことが出来るでしょう。
セリーヌが打ち出すドレスコートスタイリングを眺めていると、もう一つのコートのトレンドに気づくはず。
黒を基調にした着こなしにキャメルカラーのコート。

黒×白の配色の千鳥柄コート。
コートとスーツで強い色のコントラストを感じさせるスタイリング。
もしくはコート単体に強いカラーコントラストを感じある配色が施してある。
コートを軸にしたスタイリングにおいて、強いカラーコントラストが作られているのが理解できるはず。
近年シンプルイズベストのノームコアと呼ばれるトレンドの反動で、装飾的な着こなしやアイテムがトレンドの中心に移り変わってきました。
昔ほど無地の服やモノトーンの服に魅力を感じなくなったでしょ?なんか柄と色が欲しいな~とあなたが感じ始めているのも、トレンドの中心がシンプル→装飾に移行してきているため。
装飾性の極みでアレッサンドロ・ミケーレ率いる”GUCCI”がトレンドセッター的ポジションに躍り出たのは、それを象徴する流れと言えるでしょう。

そんな流れも踏まえつつ、今回のセリーヌで提案されている強いカラーコントラストのコートスタイリング。
弱いコントラストの着こなしと比べると、どちらが装飾的か、つまり地味じゃないかというと...。

やっぱり強いコントラストの方が脱地味、装飾的な印象を感じますよね。

カジュアル→ドレスへのトレンドのシフト。さらにシンプル→デコラティブなトレンドへのシフト。
この2つの波が「カラーコントラストの強いコートスタイリング」という形で具現化されているわけです。

長くなったのでまとめます。
まとめ
- ダークカラーのコートを選ぶなら、ダブルブレスト
- シングルコートならキャメルコートなどダークスーツ(みんなダークスーツが多いでしょ?)と合わせた時にカラーコントラストが強くなるコート。もしくは白×黒の千鳥柄やグレンチェック柄など、コートそのもののカラーコントラストが強い物。
- 丈は総じて長め。膝ジャスト~ひざ下丈
上記3ポイントを押さえれば、トレンドフルなコートとなることでしょう。
さて次は上記コートのカジュアルシーンでの着回しと行きたいところですが...。
ちょっと長くなりすぎたので、続きは次回。楽しみにお待ちいただければ幸いです。
今回はここまで。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
2 Replies to “【2019年秋冬】今年のコートのトレンドは何?仕事にもカジュアルにも使えるコートのトレンド解説”
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