現役ショップスタッフの鶴田です。
今回は洋服の歴史のお話。
と言っても、単なる歴史のお勉強ではありません。そもそも私は学生時代、とにか〜く歴史が苦手でした^^;
そんな私に歴史の授業をするスキルなんて、全くなくて…(笑)
今回は歴史絡みではありますが、あくまでファッション指南。
オシャレになるためには歴史を遡って、服の本質的な部分を学ぶのも非常に大切なのです。
一次資料までさかのぼれ!!
時代が変わっても、通じる本質的なこと=教養です。
ファッションにおける本質を身に着けることができれば時代が変わっても、つまり流行が変わっても、オシャレをする事が出来るのです。
どうやって教養を身に着けることが出来るかというと…。
例えば、ホリエモンは自著「多動力」で教養を身に着ける為には「何か疑問が湧いたら、その歴史を深く掘って、根幹から理解しよう」と述べています。
時代が変わっても通じる本質的な事=教養ですからね。
どの時代でも「共通のポイント」を見出すことができれば、それが本質=教養。歴史を遡るのは非常に重要なのは理解できるはず。
何人もの人が似たようなことを述べていること=本質でもあります。
初の自著が15万部超のベストセラーを記録したライターの田中泰延氏。
自著「読みたいことを書けばいい」で、良質な文章を書くためには「一次資料に当たる」ことが大切と解説しています。
「ここがその話の出所で、行き止まりである」というのが一次資料。
一次資料まで遡る過程は歴史を遡る作業……と言ってもいいでしょう。
歴史を遡ることで時代に関係なく有効な事、本質が理解できるのです。
ニュートンの言葉を借りるなら、本質は知る事「巨人の肩に乗る」ようなもの。
本質という揺るぎない土台=巨人がいるからこそ、本質を理解している人は、巨人の肩に乗れる=高見に到達できるのです。
「巨人の肩って何じゃそりゃ?」という方は下の記事で解説していますので、興味がある方は読んでみてください。
スーツと他の服との決定的な違い
“服の歴史”というと堅苦しく感じるかもしれませんが…。
洋服のルーツを辿れば、自然とオシャレの仕組みが理解出来ることでしょう。
服は大きく分けると「カジュアルウェア」と「ドレスウェア」の2つに分類する事ができます。
まずはカジュアルウェアのルーツから。
カジュアルというと代表的なものは、「ジーンズ」「パーカー」「Tシャツ」「スウェット」「スニーカー」「チノパン」といったところでしょうか。
ジーンズのルーツは作業着がルーツ。
パーカーを始めスウェット類はスポーツウェア。
スニーカーもスポーツウェアがルーツ。
Tシャツは肌着がルーツ。
チノパンは軍服がルーツですね。
こんな感じで、ほぼ全てのカジュアルウェアは作業着・スポーツウェア・軍服・アンダーウェアをルーツに持ちます。
作業着・スポーツウェア・軍服・アンダーウェアに共通するのは「機能性に特化した素材選び・シルエット・デザイン」である事。
つまり見た目を良くするために生まれた服ではない。機能性に特化した服なのです。
今でこそ、これらのアイテムはファッションとしての地位を確立していますが…。
これは当時の映画スターや筋骨隆々のスポーツ選手や軍人、つまり「素の見た目がカッコいい人達」が街着として着用したから。
ジーンズをファッションアイテムに昇格させたのは、当時の人気映画俳優「ジェームス・ディーン」なのは有名な話ですね。

「見た目を良くするために生まれた服ではない」カジュアルウェアで全身を固めた所で、映画スターても筋骨隆々の体でもない一般庶民である我々がオシャレになるのは非常に難しいのです。
なんかカジュアルウェアのディスり記事みたいな感じになってしまいましたが…”カジュアル”ウェアなわけですから、カジュアルウェア無くしてカジュアルファッションは成立しないわけで…。
正しいカジュアルウェアの取り入れ方は後述しますので少々お待ちを。
ドレスウェアは「見た目をよくするために生まれた服」
ここからはドレスウェアの解説。
ドレスウェアつまりスーツ・スーツスタイルにつかわれるアイテムのルーツですね。

スーツはイギリス発祥のメンズウェア。
イギリスに階級社会。英国王室を頂点に上流階級・中流階級・労働者階級というピラミッドで構成されています。

基本的に上流階級〉中流階級〉労働者階級の順に資産や身分が高い構造になっています。
で、上流階級と中流階級は支配する側。労働者階級は支配される側という構図。
階級社会のピラミッド構造を保つ上で大切なのは、労働者階級に反逆させないこと。
反逆させない為には、「見た目から圧倒してしまう」のが一番。怖い先生や先輩の言う事は聞いてたでしょ?
そこで生まれたのがスーツ。
スーツは基本的に体を筋骨隆々・スタイリッシュに見えるように体型補正効果てんこ盛りの服。
体を筋骨隆々に見せる事で、外見から力=権力を感じさせるのがスーツ。
加えて、艶のある高級な生地を使うことで財力を。
洗練されたコーディネートで知性を外見から感じさせるのがスーツなのです。
外見から権力・財力・知性を感じさせ、労働者階級を見た目から圧倒するために生まれためにスーツが生まれたのです。
つまり、見た目をよくする為に生まれたのがスーツ。
現存するメンズウェアで「見た目をよくするために生まれた服」はスーツだけです。
ここまで解説すれば、オシャレになる為に取り入れるべきアイテムは理解できるはず。
そう。ドレスウェア。
なんですが…休日もスーツにシャツ・ネクタイ・革靴のドレスコーディネートは、どんなにキマっていても、どうしても「仕事帰り?」にみえてしまうもの。

そこで「カジュアルウェア」。
カジュアルウェアは前述した通り、見た目は二の次。機能性は重視した服をルーツに持ちます。
ドレスウェアが「キメ」なら、カジュアルウェアは「抜け」のファッション。
キメキメの服装である全身ドレスウェアスタイルに、「抜け」のカジュアルウェアをミックスする事で、キメキメ感を払拭して適度に崩してあげる。
キメキメの服装を崩す。これが正しいカジュアルウェアの使い方なのです。
具体例をあげるとスーツにシャツ・ネクタイ・革靴はカジュアルシーンにおいてはキメ過ぎですが。

インナーをシャツ・ネクタイからカットソーに。
足元を革靴からスニーカーに変えると…。

カジュアルウェアの「抜け」が、ドレスウェアのキメキメ感を崩しているのがわかるはず。
オシャレになるためにはドレスウェア。
カジュアルシーンで浮かないために(キメ過ぎにならないために)カジュアルウェアをミックスする。
洋服の歴史から服の本質を学ぶと、オシャレの仕方が理解できるのです。
服も歴史も愛せるアイテムを見つけよう
洋服の歴史を知ると「お気に入りのアイテム」も見つけやすい。
例えば、コンバースのオールスター・ハイカット。

ここ数年ご無沙汰だったのですが、実は私の大好きなシューズ。
最近10年ぶりくらいに購入しましたが、やっぱりいい!!
コンバースのオールスターの歴史をさかのぼると、そこには必然的な理由がありました。
コンバースはバスケットボールシューズとして生まれました。当時オールスターをバスケットボール選手「チャールズ・H・テイラー」が愛用したことから、別名チャックテイラーとも呼ばれるのがコンバースのオールスター。
その後、アメリカのパンクバンド「ラモーンズ」が愛用したことからスポーツアイテムからファッションアイテムへと変わっていきました。

実は私、元バスケ部で洋楽ロック大好き人間。学生時代はロックフェスやら海外アーティストの来日公演などライブ三昧の日々を送っておりました(笑)
バスケ&ロックは私の原点でもあり、コンバースオールスターの原点。
同じ原点を持つモノ同士ですから愛着がわかないわけがない。
服の歴史を知りましょう。自分の歴史を振り返ってみましょう。
服の歴史と自分の歴史がリンクする服は、あなたのいわば分身。きっとお気に入りの服になることでしょう。
今回はここまで。最後まで読んでいただきありがとうございます。
One Reply to “歴史から学ぶオシャレ術。オシャレになりたければ歴史から学べ!!”
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