オシャレ初心者にも分かるスーツの色別コーディネート解説

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ニックウースターのダークスーツ

現役スーツ販売員の鶴田です。

スーツの印象を最も左右する要素は「色」。現代のスーツ原型が出来てから約200年。スーツの「色」一つとってもちゃんとルーツがあるんです。

 

そのルーツを紐解くことで、スーツの色の魅力を引き出すコーディネートを導出す。今回はそんなお話をします。

 

最もフォーマルな色、ブラック

厳密に言うと現代において真っ黒のスーツ生地というものは存在しません。

 

「いやいや、どこでも売ってるじゃん」...と思うのもっともですが。

 

実は現代の染色技術をもってしても厳密な真っ黒というのは作り出すことが出来ないのです。どうしてもわずかに赤み(もしくは青み)を帯びてしまうのです。洋服屋が自社のブラックスーツが、いかに黒く染色されているかをアピールするのもそのため。

 

染色技術が未発達だった19世紀だったら、なおの事。黒いスーツ生地は非常に貴重だったのです。つまり高級品。服は高級になればなるほど「ここぞ」というと時に着るもの。

 

スーツは英国貴族の洋服がルーツ。英国貴族にとっての「ここぞ」というシーンは政治的儀式や晩餐会。自身の権力を式典で誇示したり。社交界での人脈を増やし、自信の支配力を高めたり。当時は政略結婚がほとんどでしたから一夜限りの恋を楽しんだり。

 

高級品であるが故に「ここぞ」という時に着るものという風習が脈々と受け継がれて現代にいたります。これが黒=フォーマルの文脈。

 

こういう話をすると「じゃあ、ブラックスーツはビジネスで着ちゃダメなの」というのがよくある質問。

 

欧米ではビジネスシーンでブラックスーツはタブー。欧米や外国人でいるシチュエーションでは着ないほうが手堅いでしょう。

 

...とはいえ、ここは日本。そんなシチュエーションは、滅多にないという人がほとんどなのが現状。

 

実はドイツではブラックスーツと言えばオシャレなスーツの代表格。天皇陛下のスーツを仕立てているテーラー(スーツを仕立てる職人の事)の服部晋氏ももっと「ブラックスーツを普段も楽しむべき」と自著で述べています。

服部晋

photo by https://images-na.ssl-images-amazon.com/images/I/41BKBRB321L._SX342_BO1,204,203,200_.jpg

天皇陛下御用達のテーラーがそんなことを言ってくれれば、賛同しないほうが損というモノ。ブラックスーツをフォーマルでしか着ないのはコスパが悪いですからね。

 

 

...とはいえ、いかにも礼服に見えてしまう着こなしは、ビジネスシーンで避けたいところ。

 

よくあるのが礼服に見えるのを避けようとするあまり「あえて」カラフルなネクタイやカジュアルさを感じるチェックのネクタイを巻いてしまう事。

 

 

この「あえて...」という着こなし。スーツにおいては生半可な知識で手を出さないほうが正解です。結構、洋服屋さんでも多いんですよね~。「あえて○○○しました」的な着こなし。「あえて」が全然「あえて」になっていない着こなしの洋服屋が本当に多い 苦笑

 

スーツにおけるオシャレとは「リッチでマッチョでスマートな男性像」を着こなしで表現すること。スマートな男性像を表現してくれるのが統一感。生半可な知識でフォーマルを起源にするブラックスーツにカジュアルさを感じる色物や柄物のネクタイを合わせても統一感を出すことは出来ません。

 

ここでいうスマートとは知性や大人の男性が持つインテリジェンス。これがない中途半端なオシャレはチャラい。ホ~ントにチャラい(笑)

 

ビジネスシーンでチャラさを感じるオシャレは避けたいところ。ここはブラックスーツのフォーマルさを生かしつつ、礼服に見えないようにほんのわずかに崩すのが正解。「補う」のではなく「生かす」のがスーツでオシャレをする最短距離なのです。

 

まずはシャツ。白無地の「フォーマル」をルーツに持つシャツを合わせてしまうといかにも礼服。かといってカジュアルな色物や柄物を使うのはブラックスーツのフォーマルさにミスマッチなのは前述のとおり。

 

ここは英国貴族が仕事の時に来ていた着こなしを起源とする相手を合わすのが程よい崩し方

 

スーツは大きく分けて3つのルーツに分けることが出来ます。これは英国貴族はスーツを3つに分けてシチュエーションに応じて着分けていたのを起源とします。式典用の「フォーマル」。都市で仕事をするために着た「タウン」スーツ。田舎で休暇をハンティング等をして過ごすための「カントリー」スーツの3つですね。

 

「フォーマル」ルーツのアイテムと合わせると「まんま礼服」。「カントリー」ルーツの物を合わせると崩しすぎてブラックスーツのフォーマルさと統一感をなくしてしまいます。「タウン」をルーツにするアイテムを合わすのがブラックスーツのフォーマルさを損なうことなく、程よく崩してくれるのです。

 

「タウン」をルーツにするシャツは、白かサックスブルー。柄は無地やストライプ。無地の白シャツではまんま礼服。かといって青のシャツではちょっと爽やかすぎ。ブラックスーツって厳かな雰囲気ですからね。さわやかさとはちょっとミスマッチ。

 

そこでおすすめなのが「タウン」をルーツとする白地にストライプの入ったシャツ。

グレーロンスト

photo by http://cdn.beams.co.jp/img/goods/21112265435/L/21112265435_C_1.jpg

英国貴族が都市で仕事をするために着ていたスーツを起源とするストライプシャツ。ブラックスーツのフォーマルさを適度に中和し、「ビジネス見え」させてくれるのです。

 

合わせるネクタイも同様。「タウン」をルーツに持つ柄を合わすのがブラックスーツの程よい着崩し方。

 

「タウン」をルーツに持つ柄は「小紋」「ドット」「ペイズリー」「レジメンタル」の4つ。その中でも小紋柄はもっともフォーマルな柄。その名の通り、小さな紋章をかたどった柄です。

小紋柄ネクタイ

photo by http://www.gloryguy.jp/gloryguy/DSC00389.JPG

もっともフォーマルな故にフォーマルをルーツに持つブラックスーツと親和性が高いのです。その上、小紋柄は「タウン」をルーツに持つため、適度にブラックスーツを崩してくれるのです。

 

白地にストライプ柄のシャツに小紋柄のネクタイ。手持ちにあればブラックスーツに合わせてみてください。喪服でも構いません。全く礼服に見えず、それでいてグッとオシャレに見えるのを実感するでしょう。

 

ブラックスーツをビジネス見えさせる着こなしがこちら。

ブラックスーツ&ニットタイ

photo by https://otokomaeken.com/wp-content/uploads/2015/01/TomFordSuitsMensSuituszQMtZMQUKx.jpg

ブラックスーツに黒のニットタイ。ハリウッドの名優も好んだ「通な」着こなしです。

 

ニットタイは本来「カントリー」をルーツに持つネクタイ。フォーマルをルーツに持つブラックスーツとは本来、相反するテイストのアイテム。その相反する要素をニットタイの色をフォーマルをルーツを持つ色である黒にする。こうやってテイストの調整で統一感を出したのがこの着こなし。

 

テイストの調整法についてはこの記事でも解説しています。オシャレの幅が大きく広がるテクニックが開設されています。→どこよりも詳しく靴のデザインとデザイン別着こなし解説

 

「ザ」ビジネス!ネイビー&グレー

英国貴族が都市で仕事をするために着たスーツが起源となる「タウン」ルーツのアイテム。「タウン」をルーツに持つスーツの色はネイビーとグレイ。

 

とりわけ暗いトーンのネイビーとグレーは「ダークスーツ」と呼ばれ、ビジネススーツで最もフォーマルな色とされます。

 

「タウン」をルーツに持つシャツの色は白かサックスブルー。柄は無地かストライプ。ネクタイの色は紺。柄は前述の「小紋」「ドット」「レジメンタル(ストライプ)」「ペイズリー」の4つ。

 

ビジネスの基本となるスーツはダークスーツ。「タウン」ルーツの王道中の王道のスーツです。

 

ダークスーツを着こなすコツはとにかくマジメな印象を作ることに徹すること

ニックウースターのダークスーツ

photo by https://i.pinimg.com/originals/95/5b/8e/955b8e79e07d0ded50b3c14b4d5667c3.jpg

 

「それじゃ普通じゃね?」と思う人もいるでしょう。

 

スーツをオシャレに着る為の最短距離は「補う」のではなく、「活かす」事。真面目さが取り柄のダークスーツをオシャレに着こなすには、真面目さを「補うの」ではなく「活かす」事。

 

ダークスーツを真面目に徹して着こなした事って意外とないのでは?ついついダークスーツの地味さを補おうと色物や「タウン」以外をルーツにする柄のネクタイをあわせてしまう事が多いではないでしょうか?

アーガイル

photo by http://img.world.co.jp/upimages/070/07009100/item07009100s4L2.jpg

外国人モデルなので一見オシャレに見えますが...。モデルの顔を指で隠してこの画像と一つ上の画像を見比べてください。下の画像のほうが明らかに子供っぽいのに気づくでしょう。

 

下手に奇をてらうのではなく、真面目に徹すること。その分スーツのサイズ選びや、いかにネクタイを綺麗に結べるかに予算や時間を費やしたほうがダークスーツはオシャレに見えます。

 

それでも、お堅いだけじゃつまらないという方。ブラックスーツでも解説したテイストミックスで遊び心を加えるのがおすすめ

 

例えば、ダークスーツにレジメンタルのネクタイ。一見お堅い着こなしでもネクタイの色味だけパープルに変えてみる。

パープルタイコーデ

photo by http://goethe.nikkei.co.jp/images/fashion/business150908/ph01.jpg

ネイビースーツに白シャツ、小紋柄のネクタイの王道タウンスタイル。王道ならネクタイの色は紺のところをほんのわずかに茶色がかっている色に変えてみる。

小紋柄コーデ

photo by https://i0.wp.com/www.tundra-online.com/blog/wp-content/uploads/2015/10/04a_white-shirt-tie.jpg?resize=500%2C500&ssl=1

スーツのスタイリングは「色」「柄」「素材」で構成されます。スタイルのベースは3要素の内2要素を「タウン」ルーツの物を集積して作る。そして1要素だけ、しかも1アイテムの1要素だけ違うテイストを混ぜるのがテイストミックスの失敗しないコツ。画像の事例だとネクタイの「色」という1要素だけ「カントリー」ルーツのニュアンスを取り入れています。

 

まずは王道のタウンスタイルを習得する。慣れてきたらネクタイの色だけ、テイストを変えてみるのが順番として手堅いですね。

 

カジュアルスーツだったらこの色。ベージュ&ブラウン&オリーブ

3色一気にまとめて紹介。この3色はすべて「カントリー」をルーツに持つ色。英国紳士が休日を田舎でハンティング等のスポーツを楽しむ為に着たのがそのルーツ。ハンティングの際、獲物に気づかれないために自然色が用いられているのが特徴。元祖迷彩服とも言えますね。

 

「とても仕事じゃ着れん色だわ...(;´Д`)」ほとんどの人がそんな職場環境でしょう。

 

でも、何着もいらないけど1着持っているとすごく便利なのが「カントリー」ルーツのスーツ。

 

ジャケットのみ、スラックスのみの上下バラ使いでカジュアルフライデーやクールビズ。セットアップにTシャツで休日に。スーツとしてシャツタイを合わせればビジネスカジュアルにも幅広く使えるのが「カントリー」ルーツのスーツ。

 

ワケも分からず1万円のチノパンなんか買うより、ユニクロかどっかでベージュのセットアップを1万円で揃えたほうが圧倒的にオシャレになれるというものです。

 

シャツタイを合わせるときは、ついついそのカジュアルさを補おうと真面目な色や柄をチョイスしがち。何度も言いますが、オシャレなコーディネートのコツは「補う」のではなく「活かす」事。

 

「カントリー」スーツのベージュやブラウン、オリーブから導き出されるのはカジュアルさ。とことんカジュアルに装うのがスーツの色味と統一感が生まれ知的に見えます。

 

シャツやネクタイで「カントリー」をルーツに持つのがチェック柄やピンク、グリーンやエンジなど。

 

これからの季節、ブラウンスーツにエンジのネクタイの組み合わせは温かみのある見え方でおススメ。

カントリースタイル

photo by http://store.united-arrows.co.jp/shop/ua/styling/20170828_283824.html?y=0&m=0&izen=0&cutyid=1

寒くなってくると暖かいパンツやジャケットが欲しくなってくるものというモノ。温かみのある素材はたいてい「カントリー」をルーツに持ちます。

 

試着の際は「コレのセットアップありますか?」と店員に聞いてみてください。騙されたと思って上下で試着をしてみてください。単品で着るよりも100倍オシャレに見えます。

 

「カントリースーツ気になってきたかも...」という方は無料メール相談をしてるのでご相談を。職場のドレスコードやご予算に応じて提案させていただきます。「一緒に買い物してほしい」なんてご相談もお気軽にどうぞ。お住まいやスケジュールが合えばお手伝いさせていただきます。

 

このブログで口を酸っぱくお伝えしてますが、オシャレには「理論」と同じくらい「行動」が大事。どんなに優れて理論でも実践しなければ、机上の空論ですからね。僕に相談するのも立派な「行動」。迷ったらお気軽にメールください。

 

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