好きなブランドを見つける方法?「デザイナーを知る」ことが自分に合うブランドを見つける近道

現役ショップスタッフの鶴田です。

「おすすめのブランドはありますか?」
「どんなブランドが自分には似合いそうですか?」

こんな質問をよく耳にします。

ぶっちゃけ、「このブランドのアイテムだったら全部似合う」なんてブランドは存在しません。

1シーズンに1~2着、同じブランドでお気に入りが見つかれば、十分「自分に似合うブランド」じゃないのかな?

服はブランド単位ではなく、アイテム単位でチェックしたほうがおすすめですが...。

そうは言っても、「自分にピッタリなブランド」を知りたい気持ちも痛いほどわかる。

そこで今回は、自分に似合うブランドの見つけ方指南の回でございます。

 

ブランドを知るより、デザイナーを知ろう

ブランド、とりわけデザイナーズブランド...その中でも海外のブランドはコロコロとデザイナーが変わります。

早いところなんて春夏と秋冬の2シーズン担当しただけで、デザイナー変更なんてこともあったり。

日本のブランドでも、「ディレクター」が変わることは、そんなに珍しいことでもありません。

ここで言う「デザイナー」や「ディレクター」は、ほぼ同じ意味。

ブランドのデザインや世界観の創作活動のトップに立つ人物のことを指します。

どの企業でもそうですが、トップが変われば方針も変わるものです。

もっと言えば、上司が変われば、職場の雰囲気や方針も変わるでしょ?

実はファッションの世界も一緒なのです。

同じブランドでも、デザイナーは変わるのが一般的。

デザイナーが変われば、ブランド方向性も変わる。

となれば、ブランドを知るよりも、デザイナー自身のことを知ったほうが、結果的に手っ取り早く「ブランド」を知ることが出来る...というわけです。

基本的にデザイナーは、「言葉では表現できない感情やメッセージ」を服に託す形でデザインします。

つまり、デザイナー自身の内面の発露がデザインに現れるのです。

デザイナー本人の内面・性格に好印象や共感を持てることが出来れば、そのデザインーが作り出す「服」も好きになる確率は高いでしょう。

情熱大陸やNHKの「プロフェッショナル」で、好感が持てたアーティストの曲って以前よりも良い曲に聞こえたりするでしょ?

あれに近い感覚ですね。

私自身、デザイナー本人の人間性が好きな「ブランド」の服は、総じて好きだし、逆に「この人はちょっとな...」という人間性のデザイナーは、作り出す服もやっぱり好きになれない。

誰が作っている服か...ということに注目すること。

作っている人を知ること。

この二つがお気に入りのブランドを見つける最短距離と言っていいでしょう。

デザイナーを知るきっかけは、「映画」「ドキュメンタリー」がぴったり

デザイナー本人の人間性を知ることが、お気に入りのブランドを見つける手っ取り早い方法...とは言いましたが。

デザイナーってインタビュー嫌いだったり、地上波にTVに出ることはかなりまれ。

実はデザイナー本人の人間性を知ることが出来る機会は極めてまれなのです。

...が、実はファッション業界は、空前の「ドキュメンタリー映画ブーム」。

取材嫌い・無口で有名なデザイナーたちが、こぞってドキュメンタリー映画の製作にゴーサイン・首を縦に振っているのです。

デザイナーを知りたければ、映画館にゴー&TSUTAYAレンタルへ...なわけなのです。

デザイナーを知ることが出来る、良質ドキュメンタリーレビュー

「ドキュメンタリーがおすすめって言われても、何から見ればいいのかわからない」

そんな人も多いでしょう。

数多くのファッション系ドキュメンタリー映画を見てきた私のレコメンドドキュメンタリー映画解説を「デザイナーの人間性」に焦点をあてて送りいたします。

映画の感想を書くなんて小学生の感想文以来だわ...(^-^;

おすすめドキュメンタリー①「ドリス・ヴァン・ノッテン ファブリックと花を愛する男」

 

こんな男性像を体現するのが、「dries van noten」のデザイナー・ドリスヴァンノッテン氏。

あえて肌着を見せる着こなしテクニック
photo by https://spur.hpplus.jp/fashion/topics/201801/20/OGUReYM/

このドキュメンタリーでは、創作~コレクション開催まで密着した内容になっていますが...。

服作り、とりわけファッションショーをやるようなデザイナーの日々ってかなりハードワークな世界なんですよ。

春夏・秋冬の6か月間隔で行われるファッションショーまでに、デザインのイメージ探し~デザインスケッチ(作る服は何百着に及ぶ)~生地選び~型紙作り~縫製~ショーのスタイリング~ショーの演出~モデル探しetcこれを毎年繰り返す日々。

しかもドリスさんの場合、「レディース」も「メンズ」のショーも手掛けています。どちらかの専業デザイナーと比べると、その多忙さは2倍...以上でしょう。

もちろん全てがスケジュール通りに進むなんてことはなく。
手塩にかけたコレクションが批評家に酷評されることもザラ。

全ての工程の総指揮を執り、バッシング(そして賞賛も)すべて浴びせられるのがデザイナーのお仕事。

間違いなくストレスフルな日々でしょう。

にもかかわらず、ドリスさんは声を荒げることもなく、イライラする表情を見せることなく、常に穏やか。

そりゃ、言うても「ドキュメンタリー」ですからね。都合の悪い部分はカットすることも出来るでしょう。設立34年の自分のブランドです。組織として円熟されているから、多少の困難では動じないもかもしれません。

それにしても、ドリスさんは器が大きいというか、穏やかというか、優しいというか。

部下であるスタッフに自分のやり方を押し付けるでもなく、むしろ積極的に耳を傾けています。

インタビューに対しても決して口数は多くはありませんが、真摯に答えている。偉ぶっている印象は一ミリも感じません。

「見た目だけじゃなくて、中身のカッコよくなりたい」

そんな人はぜひドキュメンタリーを見て、彼の人間性の触れてみてください。「かっこいい大人」の見本となることでしょう。

おすすめドキュメンタリー②「ディオールと私」

ドリスさんと比べて、ストイックさや完璧主義者な側面を強く感じたのが、こちらのドキュメンタリーの主役であるラフシモンズ氏。

photo by https://b2f.jp/uncategorized/3-highlights-in-his-career/

生地メーカーに要望の生地をリクエストするも、技術的な問題で難色を示す生地メーカー。

それでも、生地メーカーに何度も何度も生地メーカーにアプローチを続けるよう指示するラフ。

リンクで張った予告編動画にて、「絶対にあきらめない」とラフが言っているのは、この下りですね。

完璧主義者ゆえに、周りとの衝突も頻繁に描かれています。

定例のミーティングに、顧客対応で重要なセクションの役職者が不在になってしまったり、アイテムのサンプルがまだ仕上がっていなかったり...。

ドキュメンタリーでは、終始ピリピリムードが漂っています。

「ラフ・シモンズって気難しいヤツなのかな?」

実は、ピリピリして当然の環境に密着しているのがこちらのドキュメンタリー映画。

ラフシモンズは、本来プレタポルテ(高級既製服)のデザイナーで、どちらかというとメンズ畑の人。

今回就任したのは、クリスチャンディオールのオートクチュール(高級注文服)のレディース部門。

既製品と注文服(=オーダー服)との違いもあるし、「メンズの人」というイメージが強い中での、レディースを担当するというなかなかのチャレンジングな環境に置かれているのが、当時のラフシモンズなのです。

しかもクリスチャンディオールは、オートクチュールがブランドの起源です。

そこで働く縫製職人(お針子さん)も、「私たちがディオールを支えている」という自負もある。

となれば、プレタとクチュールの違いの中で、双方にすれ違いが生まれるのは、当然のこと。

決して大声で言い争いをするシーンこそありませんが、両者の中で意見のすれ違いが生んだピリピリムードは相当なモノ。

結果的にラフの右腕となるアシスタントがラフとお針子の関係を上手く取り持ってくれたり、お針子さんたちの作品が仕上がるにつれて、ラフのクリエイティビティーに敬意を払うようになったり...。

結果的には、コレクションは賞賛の嵐の中で、映画は終わるわけです。

完璧主義者のラフが完全アウェイの環境の中でも、自分の理想となるクオリティを衝突を恐れずに追求する姿は「スゴイ」の一言。

でも、コレクション発表直前では、プレッシャーのあまり涙。

そしてコレクション終盤では、感動のあまり涙。

決して「鋼の心を持つ強い人」ではないことを感じさせるシーンも描かれています。

人よりも強いわけではない。それでも完璧を追求するために、衝突や困難を恐れず立ち向かう姿には、共感や励まし・憧れの感情を抱く人もいるでしょう。

少なくとも私は、ラフの姿に傷つきながらも決してあきらめない強い姿を感じ取りました。

 

おすすめドキュメンタリー③「山本耀司のドキュメンタリー全般」

序盤で

オシャレで、周りの人への気遣いも出来て、人当たりも柔らかい人こそ、本当にカッコいい大人なんだ!

と書きましたが、この「私の理想の大人像」。

もしかしたら、「自分がなれそうな範囲の理想の大人像」なのかもしれません。

じゃあ、なれる・なれない関係なく、自分が究極にカッコいい...と思う大人の男性。

それこそ、山本耀司氏。

ヨウジヤマモトを手掛けるデザイナーですが、ブランド「ヨウジヤマモト」についてはこちらの記事で執筆しております。

興味ある方はこちらの記事を読んでみてください。

【ブランド解説】ヨウジヤマモトは、「お金をかけないオシャレ」上級者におすすめのブランド

公式動画がないのでリンクは貼れませんが「山本耀司」とYouTubeで検索すると、インタビューやら、ドキュメンタリーなど色々出てくるので、興味があるものを見てみると良いですよ。

こんな服を作っているデザイナーで、

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お金のかからないオシャレの原則は「購入金額÷使った回数」つまり一回使うあたりいくらなのか? TPOをかなり選ぶようなデザインの強い服は、「眺めるだけでも楽しめるか?」を基準に選ぶ。 もちろん、いざその時が来たら、いつでも着れるように素材は3シーズンor通年着れるものをチョイス。 我が家では、クローゼットに入れずに壁面に掛け軸かのごとくディスプレイ。日々インテリアとしても機能させています。 着る回数は少なくとも、日々インテリアとして機能すれば、これもまた「使った回数」。 カーディガン→約50000円÷30回=1666円 購入してまだ一ヶ月。この「着るインテリア」のコスパは優秀。でも部屋にかけておいて、映えるのはせいぜい1〜2着くらいまでかな? #youjiyamamoto #ヨウジヤマモト #ヨウジヤマモトプールオム #血まみれ参上 #インテリア#cheapchic #お金のかからないオシャレ

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見た目もこんな人ですから、

山本耀司
photo by http://mensfashion-brand.com/wp-content/uploads/2016/02/%E5%B1%B1%E6%9C%AC%E8%80%80%E5%8F%B8.jpg

「どんなヤ○ザなデザイナーなんだ」と思ってしまいがちですが...。

動画を見ると、拍子抜けするはず。

服や外見から想像する印象と比べると、驚くほど語り口調は非常に穏やか。そして言い回しや言葉選びは詩的で知性を感じる。

全然ヤ○ザじゃない。

これだけでは、ただのインテリ&優しいお爺さんですが(それでも十分魅力的ですが...)。

やっぱり「血まみれ参上」を作るデザイナーです。

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お金のかからないオシャレの原則は「購入金額÷使った回数」つまり一回使うあたりいくらなのか? TPOをかなり選ぶようなデザインの強い服は、「眺めるだけでも楽しめるか?」を基準に選ぶ。 もちろん、いざその時が来たら、いつでも着れるように素材は3シーズンor通年着れるものをチョイス。 我が家では、クローゼットに入れずに壁面に掛け軸かのごとくディスプレイ。日々インテリアとしても機能させています。 着る回数は少なくとも、日々インテリアとして機能すれば、これもまた「使った回数」。 カーディガン→約50000円÷30回=1666円 購入してまだ一ヶ月。この「着るインテリア」のコスパは優秀。でも部屋にかけておいて、映えるのはせいぜい1〜2着くらいまでかな? #youjiyamamoto #ヨウジヤマモト #ヨウジヤマモトプールオム #血まみれ参上 #インテリア#cheapchic #お金のかからないオシャレ

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しっかりと、不良性・反逆精神も持ち合わせているのです。

俺自身はもしファッションデザイナーという職業に就けなかったら、たぶん犯罪者になっていたと思う。ガキのころから社会が不公平なことに対して腹を立てていたから、服にそれを込めるチャンスが与えられなかったら、他に怒りのはけ口を求めていたかもしれないという意味で。

 

最近の女性たちは世界中、非常にダサくなっていると思う。一日に何回も、ファストファッションで買い物するなんて、少しは疑問持てよ、と言いたい。「一着の服を選ぶってことは1つの生活を選ぶってことだぞ」って。

青山店を作ったときのコンセプトは「できるだけ入りにくい店」。販売員はタバコを吸っていたりして、いらっしゃいませ、も言わずに感じが悪いのが理想。だって、客はもてなしてくれない方が楽じゃない?入りにくい店だから、ドアを開けて入ったときに勝負が決まっている、という感じにしたい。

all text by https://www.wwdjapan.com/articles/307602

 

この辺の発言を見てみても、耀司さんの反逆性というか、社会への怒り...みたいなものは理解できるでしょう。

不良・悪っぽいのに優しくて、知的。もう1回生まれ変わったら、こんな男になりたい...って思う男性は多いんじゃないかしら?

私は、「ヨウジヤマモト」というブランドが好きなのではなく、山本耀司という人間が好き。そして山本耀司が作る服だから、ブランド「ヨウジヤマモト」の服が好きなのです。

好きなブランドを見つけたら、コレクションをチェック→「ぽい」アイテムをファストファッションで手に入れるのもアリ

今回、紹介したデザイナーたちの服は、シャツ1枚で3~5万円はくだらない超高級品。

「高っ...手が出ないから、そんなブランド知っても意味がないよ」

ぶっちゃけ「っぽい」物をファストファッションで見つけて取り入れる……というのもアリ。

例えば、私の妻は以前ファストファッションで、なんとも「ドリスっぽい」シャツアウターをゲット!。

 

本物のドリスなら、80000円はくだらないですが、こちらは5000円位だったかな?

もちろん、素材・シルエットともに本家本元には及びませんが…。

ぶっちゃけ私も妻も「っぽい」モノでも十分満足できちゃいます。

とはいえ、ネットで「ドリスヴァンノッテン風」とか「ドリスヴァンノッテン 似てる服」なんて検索しても、たいした情報にはヒットしません。

「っぽい」アイテムを見つけるために、頼りになるのは、自分の目利き力・審美眼しかありません。

手頃な価格で「良質なブランド風の服」を手に入れるには、目利き力を養う必要があります。

「え〜…なんか難しそう」

そう思う人もいるかと思いますが…実はそんなに難しいことではありません。

ちょっとした空き時間や暇な時に好きなブランドのコレクション(ファッションショー)画像を年代・季節問わず、眺めてみてください。

最初のうちは、ただ単に眺めるだけになると思いますが、何度も見ていくうちに
「このブランドって、この感じは定番だよね」
「いっつもこんな色使いの服を作るよね」
「このシルエットは毎年出てくるな〜」
なんていうふうに、そのブランドの傾向が言語化出来なくとも、なんとなく感覚的に掴めてくるようになるでしょう。

例えば、上のドリスのケースで言うと…。

ドリスのコレクションで象徴的・特徴的なのが色使い。とりわけ、ダルカラーと言われる濁った色使いが特徴的です。

言葉では表現しきれませんが、ドリスのダルカラーは濁っているんだけど、一般的なダルカラーと比べると少し澄んだ発色を取り入れる傾向があります。

photo by https://www.fashion-press.net/collections/gallery/46254/797133
photo by https://www.fashion-press.net/collections/gallery/51140/882810
photo by https://www.fashion-press.net/collections/gallery/40783/699370

これを踏まえて、妻のシャツアウターを見ると...。

画像では細かい発色のニュアンスまでは伝わらないかもしれませんが...カーキなんだけど、一般的なカーキと比べると黄色みが強く、少し澄んだ印象を感じるはず。

何だかドリスッぽい色使いでしょ?

たとえ手が届かないブランドでも、好きなブランドのコレクションを定期的にチェックすることで審美眼は養える。

養った審美眼で「っぽい」アイテムをファストファッションなどで、手軽な値段で手に入れることが出来るのです。

実店舗で実際に見たり・着たりした方がさらに審美眼を養えることが出来ますが、まずはネットでコレクション画像を見始めるだけでも十分でしょう。

「(好きなブランド名) 年代(西暦) シーズン(春夏ならSS、秋冬ならAW・FW)」と検索すれば、コレクションの画像がバンバン出てきますよ。

ちなみにせっかく好きなブランド、もしくは好きなブランドっぽいアイテムを手に入れるなら、「購入金額÷使った回数」した時にお得な買い物にする...というのが本サイトの特徴。

たくさん使える服の選び方をこちらの記事で解説しています。興味ある方は読んでみてください。

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